古典和歌stream
表題
-
古今和歌集
竜田河錦おりかく神無月
しぐれの雨をたてぬきにして
歌の意味
竜田川は錦を織ってかけている。十月に降るしぐれ雨を縦糸と横糸にして。
鑑賞
巻第六 冬歌 紅葉を錦に見立てて詠まれている。昔、紅葉は冷たい露が赤や黄色に染めると考えられていたので、秋の終わりから冬の始めに降る冷たい雨によって色鮮やかに染められたと見たのだろう。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
ゆふづく夜をぐらの山に鳴く鹿の こゑのうちにや秋はくるらむ
道知らばたづねもゆかむもみぢ葉を ぬさと手向けて秋はいにけり
山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
おほぞらの月のひかりしきよければ 影見し水ぞまづこほりける