古典和歌stream
表題
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古今和歌集
降る雪はかつぞ消ぬらしあしびきの
山のたぎつ瀬音まさるなり
歌の意味
降る雪はすぐに消えているのだろう。山中の急流の川の音がいっそう増している。
鑑賞
巻第六 冬歌
雪が降ってもすぐに溶けて川に流れ込んでいるのだろうと、音が大きくなったことを理由に推測している。雪の静かなイメージと激しく流れる川の音の対比もあり、理屈っぽい印象を受ける。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
ゆふされば衣手さむしみよしのの吉野の山にみ雪ふるらし
今よりはつぎて降らなむ我が宿のすすきおしなみ降れる白雪
この河にもみぢ葉流る奥山の雪げの水ぞ今まさるらし
ふるさとは吉野の山し近ければひと日もみ雪降らぬ日はなし