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ならはねば世の人ごとに何をかも
恋とはいうふと問ひし我しも

歌の意味
恋の経験がないから、世間の人にいったい何を恋というのかと問う私が。
鑑賞
三十八 君により

ある男が紀有常の所へ出かけていったが、有常は外出していて遅く帰ってきた。
歌は男の詠んだ「君により思ひならひぬ世の中の人はこれを恋というらむ」に対する有常の返歌。

待たされた男は有常が早く帰って来て欲しいという思いを冗談めかして、「この気持ちが恋だろうか」と詠んだ。有常もこの冗談に合わせて「恋の経験が無い私が、まさか恋について問われるとは」と返している。
男と有常の親しい友情が表れている。男を恋の多い在原業平と考えると、有常の返しも皮肉が効いたものになる。
作者
出典
伊勢物語
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