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表題
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竹取物語
今はとて天の羽衣着る折ぞ
君を哀れと思ひ知りぬる
歌の意味
今は、これまでと思って天の羽衣を着るにあたり、君(帝)のありがたさを改めて思い知った。
鑑賞
かぐや姫が月からの使者に連れられて月の都へ戻ろうとする前に帝に宛てて詠んだ歌。
かぐや姫は使者が持ってきた「不死の薬」を少し舐め、残りを形見として帝に送った。そして使者に天の羽衣を着せられると、竹取の翁への恩や帝へ思いは消え去り、月へと昇っていった。
かぐや姫は月で何かの罪を犯したので、地上へ落とされていた。
作者
出典
竹取物語
その他の歌
かえるさの行幸物憂く思ほえて背きてとまるかくや姫ゆゑ
葎はふ下にも年は経ぬる身の何かは玉の台をも見む
逢ふ事も涙に浮かぶ我が身には死なぬ薬も何にかはせん
松山の浪にながれてこし船のやかてむなしくなりにけるかな