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表題
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竹取物語
かえるさの行幸物憂く思ほえて
背きてとまるかくや姫ゆゑ
歌の意味
私の願いに背いて竹取の家にとどまるかぐや姫のために、還幸が何がなくつらく思われる。
鑑賞
竹取の翁の屋敷を訪れ、かぐや姫と会った帝が詠んだ歌。 五人の求婚にも応えなかった、美しいかぐや姫を宮仕えさせるようにと竹取の翁に求めた。しかし、宮仕えに出るくらいなら死ぬとかぐや姫は頑なに断った。帝は狩りを口実に竹取の翁の屋敷に入り、かぐや姫に会った。 帝はかぐや姫の美しさに心を奪われ思いを募らせる。
出典
竹取物語
その他の歌
年を経て波立ち寄らぬ住の江の まつかひなしと聞くはまことか
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今はとて天の羽衣着る折ぞ 君を哀れと思ひ知りぬる