古典和歌stream
表題
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古今和歌集
年をへて花のかがみとなる水は
ちりかかるをやくもるといふらむ
歌の意味
長年のあいだ花を映す鏡となる水は、水面に花が散りかかるのを水鏡がくもるというのであろうか。
鑑賞
巻第一 春歌上
水辺に梅の花のさいていたのを詠んだ歌。
「ちりかかるをや」の「ちり」は花が散るのと、塵のかかるを掛けた。塵がかかると鏡がくもる。
作者
伊勢
出典
古今和歌集
その他の歌
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔のかににほひける
春ごとにながるる河を花と見てをられぬ水に袖やぬれらむ
くるとあくとめかれぬものを梅の花いつの人まにうつろひぬらむ
梅がかをそでにうつしてとどめてば春はすぐともかたみならまし