古典和歌stream
表題
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古今和歌集
くるとあくとめかれぬものを梅の花
いつの人まにうつろひぬらむ
歌の意味
梅の花を日が暮れるからと言っては見て、夜が明けたからと言っては見て、目を離さないでいたのに、いつの人のいない間に散りかけてしまったのだろうか。
鑑賞
巻第一 春歌上 自分の家にあった梅の花の散ったのを呼んだ歌。 たえず注意していた梅の花が、気づけば散っている。 自分がある人の心を占めていると思っていたのに知らない間にその人が他の人に心を移してると読めなくもない。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
春ごとにながるる河を花と見て をられぬ水に袖やぬれらむ
年をへて花のかがみとなる水は ちりかかるをやくもるといふらむ
梅がかをそでにうつしてとどめてば 春はすぐともかたみならまし
ちると見てあるべきものを梅の花 うたてにほひのそでにとまれる