古典和歌stream
表題
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古今和歌集
いろもかもおなじむかしにさくらめど
年ふる人ぞあらたまりける
歌の意味
桜の花は色も香りも昔と同じように咲くだろうが、年をとった人はいつしか姿が変わってしまうことよ。
鑑賞
巻第一 春歌上
美しい桜の花のもとで老いたことを嘆いて詠んだ歌。
桜は昔のままであるが、それを見る人は色も香も失って老いを迎えることをしみじみと詠んだ歌である。
漢詩にある
「年々歳々花相似。歳々年々人不同」を踏まえたものであろう。
作者
紀とものり
出典
古今和歌集
その他の歌
見てのみや人にかたらむさくら花てごとにをりていへづとにせむ
みわたせば柳桜をこきまぜて宮こぞ春の錦なりける
たれしかもとめてをりつる春霞たちかくすらむ山のさくらを
桜花さきにけらしなあしびきの山のかひより見ゆる白雲