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思ふかひなき世なりけり年月を
あだにちぎりて我や住ましつ

歌の意味
いとしいと思う甲斐もない夫婦の仲だった長い年月を、不誠実な関係を持って私は暮らしていたのだろうか。そんなことは全くなかったのに。
鑑賞
二十一 いでていなば

ある男と女がいた。二人は相思相愛で他の人に関心を持つ気持ちなどなかったが、些細なことが原因で夫婦の仲をわずらわしく思った。

女が残していった歌「出でて去なば心軽しといいやせむ世のありさまを人は知らねば」を見た男は何が原因で妻が家を出て行ったのかわからずに、ひどく泣いて門でて方々見回しても見つからなかった。
男は家の中に引き返して、この歌を詠んで放心する。
作者
出典
伊勢物語

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