古典和歌stream
表題
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伊勢物語
出でて去なば心軽しといいやせむ
世のありさまを人は知らねば
歌の意味
私が家を出て行ってしまえば、軽薄なことだと世間の人は言うかもしれない。私たち夫婦のことを世間の人は知らないので。
鑑賞
二十一 いでていなば
ある男と女がいた。二人は相思相愛で他の人に関心を持つ気持ちなどなかったが、些細なことが原因で夫婦の仲をわずらわしく思った。
歌は女が夫のもとを離れて他所へ行ってしまう前に詠んで書置きにした。
この歌は『古今六帖』に紀友則の作とも記されているが、真偽は不明で男の作とも見られない事はない。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
天雲のよそにのみしてふることはわがゐる山の風はやみなり
君がため手折れる枝は春ながらかくこそ秋のもみぢしにけれ
思ふかひなき世なりけり年月をあだにちぎりて我や住ましつ
人はいさ思ひやすらむ玉かづら面影にのみいとど見えつつ