- 歌の意味
- あなたと二人で互いに結んだ下紐をあなたに逢うまでは、けっして解くまいと思います。
- 鑑賞
- 三十七 下紐とくな
ある男が色好みで情の多い女と逢い、情を交わした。
歌は男が女の浮気を不安に思って詠んだ「我ならで下紐とくな朝顔の夕かげまたぬ花にはりとも」への女の返歌。
そんなに浮気をするつもりも心配なくという意味が込められている。
この歌は『万葉集』巻十二に収録されている「二人してむすびし紐を一人として我は解きみじただにあふまでは」から着想を得ているようだ。
もとの万葉集の歌は純情を誓う歌であった。
伊勢物語でも意味するところはあまり変わらないが、朝顔に例えられる浮気性の女と釘を刺す男の人となりが見れる。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語