古典和歌stream
表題
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伊勢物語
君により思ひならひぬ世の中の
人はこれを恋というらむ
歌の意味
あなたによって思い知った。この気持ちを世間の人は恋と言うのだろうか。
鑑賞
三十八 君により
ある男が紀有常の所へ出かけていったが、有常は外出していて遅く帰ってきた。
歌は男が有常に詠んでやった。
有常が外出していて待たされた男が、早く会いたかったという気持ちを詠んでいる。恋心に例えて詠んでいるのは待たされた男の冗談か。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
我ならで下紐とくな朝顔の夕かげまたぬ花にはりとも
二人して結びし紐をひとりしてあひ見るまでは解かじとぞ思ふ
ならはねば世の人ごとに何をかも恋とはいうふと問ひし我しも
出でていなば限りなるべみともし消ち年へぬるかと泣く声を聞け