- 歌の意味
- しっかり植えたので秋がないときは咲かないが、毎年秋はあるので美しく咲く。花は散るでしょうが根まで枯れだろうか、いや枯れないだろう。
- 鑑賞
- 五十一 植ゑし植ゑば
ある男が、ひとの邸の庭先の植え込みに菊を埋め込んだときに詠んだ歌。
菊をよその庭に頼まれて植えたときに添えられた、あいさつで「一生懸命、心を込めて植え込んだので毎年秋になると美しく咲くだろう」と言っている。
自分の家で毎年楽しみながら眺めていた菊を頼まれて株分けして、贈り届けた先でも美しく咲いてほしいと自然な気持ちを詠んだのだろう。
『古今集』秋下に在原業平の歌として収録されている。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語