古典和歌stream
表題
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伊勢物語
岩ねふみ重なる山にあらねども
逢はぬ日おほく恋ひわたるかな
歌の意味
大きな岩を踏んで上る重なり続いた険しく深い山ではなく、逢いに行くのは簡単なはずなのに、逢わない日が多く、恋焦がれている
鑑賞
七十四 岩ねふみ
ある男が女をたいそう恨んで詠んだ歌。
近くにいながら逢ってもくれない女のことを詠んでいる。相手の女がどのような女性かはわからないが、男の悲痛な気持ちが表現されている。
この歌は『万葉集』巻十一、『拾遺集』に収録された歌を少し変えた類歌になっている。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
大淀の松はつらくもあらなくにうらみてのみもかへるなみ哉
目には見て手にはとられぬ月のうつの桂のごとき君にぞありける
大淀の浜に生ふてふみるからに心はなぎぬ語らはねども
袖ぬれて海人の刈りほすわたつうみのみるをあふにてやまむとする