- 歌の意味
- 長く年月がたった今まで忘れなかった人はいないだろう。おのおのがいろいろな生活を送り年がたってしまったのだから。
- 鑑賞
- 八十六 おのがさまざま
若い男女がいた。二人は親しく語らいあったが、親に交際が発覚するのを恐れて逢わなくなった。
歌は何年か経った後、男が思いを遂げようと女のところに詠んで送った。
結局は男女の仲が戻ることはなかったが、お互いに離ればなれになることはなく同じ御殿に奉公に出た。
歌には男の昔愛したあなたのことを忘れることはなかったという意味で詠まれている。
若い男女の愛情が結ばれないまま時期を失い、昔のような関係に戻れない。それでも別れ去ってしまうこともない。そんな男女間の余韻を表現している。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語