- 歌の意味
- 身分に合わない恋をするがいい。身分の高い者と低い者との恋はまったく苦しいものだ。
- 鑑賞
- 九十三 あふなあふな
ある身分がとても低い男が、比類なく高貴な身分の女に恋をしてしまった。まったく相手にされないということもなく少し望みを持つことができそうだったのだろうか、男は横になって思い、起きて思いを繰り返した。
歌は男が思いわずらって詠んだ。
身分違いの恋は、ほとんど成就しないが何かのきっかけで見初められることもあるし、何とかなりそうな状況に希望を持ったため諦めがつかず悩みが深くなる男の嘆きが表されている。
昔から貴賎の間の恋は実ることがないのが世間の道理だったのだろうか。悲恋で終わる物語も多いように思える。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語