- 歌の意味
- 見ないというのではなく、かといってはっきり見たのではない、あなたが恋しくて、わけもなく今日は一日中ぼんやりそちらの方を眺めて過ごすか。
- 鑑賞
- 九十九 見ずもあらず
右近の馬場で騎射の試射が行われた日、向かいにある車の中に女がいた。女の顔が簾(すだれ)のすきまから、かすかに見えた。
歌はそれを見た中将であった男が詠んで贈った。
はっきり見えたわけではない女の人が気になって一日中、何もできなくなってしまったと口説く率直な歌である。
中将は在原業平のことである。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語