- 歌の意味
- 死ぬというのは人間最後には行く道と前々から聞いていたが、それはずっと先のことで昨日、今日というさしせまったこととは思わなかった。
- 鑑賞
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百二十五
歌はある男が病を患い、死が近いと感じとり詠んだ。
自分の身に訪れる死は自覚するまで遠いものとして認識していたのだが、過ぎ去ってしまえば、あっけないのが人生なのだろう。そういった率直な嘆きと取れる。
この歌は『古今集』哀傷歌に在原業平の歌として収録されている。業平は元慶四年(八八〇)に五十六歳で亡くなったという。
- 出典
- 伊勢物語
- その他の歌