古典和歌stream
表題
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古今和歌集
花のちることやわびしき春霞
たつたの山のうぐひすのこゑ
歌の意味
花が散るのが侘びしいのであろうか、春霞の立つ竜田山のうぐいすの鳴く声は。
鑑賞
巻第二 春歌下 仁和の中将の御息所(みやすどころ)の家で歌合せをしたときに詠んだ歌。 作者が花の散るのを侘びしく感じるので、うぐいすの鳴き声もそのように感じるのだろう。 たつたのやま、竜田山は現在の奈良県生駒郡三郷町の西方の山で、紅葉の名所である。
作者
藤原のちかげ
出典
古今和歌集
その他の歌
吹く風をなきてうらめよ鶯は 我やは花に手だにふれたる
ちる花のなくにしとまる物ならば 我鶯におとらましやは
こづたへばおのがはかぜにちる花を たれにおほせてここらなくらむ
しるしなきねをもなくかなうぐひすの ことしのみちる花ならなくに