古典和歌stream
表題
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古今和歌集
あはれてふ事をあまたにやらじとや
春におくれてひとりさくらむ
歌の意味
素晴らしいという賞賛の言葉を他の多くの桜にやるまいとしてか、春がすぎてしまった後に、ただひとり咲いているようだ。
鑑賞
巻第三 夏歌 四月に咲いている桜を見て詠んだ歌。 桜は美しいと人に賞賛されるが、ただ一本だけ遅れて咲いているのは賞賛の言葉をひとりじめしようとしているのかと推測している。
作者
紀利貞
出典
古今和歌集
その他の歌
けふのみと春をおもはぬ時だにも 立つことやすき花のかげかは
わがやどの池の藤波さきにけり 山郭公いつかきなかむ
さ月まつやま郭公うちはぶき 今もなかなむこぞのふるごゑ
五月こばなきもふりなむ郭公 まだしきほどのこゑをきかばや