古典和歌stream
表題
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古今和歌集
わがせこが衣のすそを吹き返し
うらめづらしき秋のはつ風
歌の意味
私の夫の着物の裾を裏返す、まことに珍しい秋の初風が吹き始めたことだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上 「わがせこが衣のすそを吹き返し」は「うら」に掛かる序詞で着物の裏が見える意味でいう。 秋の到来を感じさせる風が吹いたと詠んでいるが、自分の夫の着物の裾が風にひるがえるといった視点に女性の細やかさが感じられる。 「せこ」は女性から見た恋人や夫の呼称。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
あききぬとめにはさやかに見えねども 風のおとにぞおどろかれぬる
河風のすずしくもあるかうちよする 浪とともにや秋は立つらむ
きのうこそさなへとりしかいつのまに いなばそよぎて秋風の吹く
秋風の吹きにし日より久方の あまのかはらにたたぬ日はなし