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白雲の羽うちかはし飛ぶ雁の
かずさへ見ゆる秋の夜の月

歌の意味
白雲の浮かぶ空を羽を重ねて飛んで行く雁の数までもはっきり見える秋の夜の月の明るいことよ。
鑑賞
巻第四 秋歌上

 秋の月が明るい夜の情景が詠まれている。

 「数さへ見ゆる」の句は他の本では「影さへ見ゆる」とあり月の明るさを強調するならば「影さへ見ゆる」が正しいとされている。空を飛ぶ雁の影が地面に落ちるほど明るいという意味になり実際にはあり得ない過剰な表現という印象を受ける。
 「数さへ見ゆる」の場合だと、美しい情景を素朴に表現していて好ましく思えるがどうだろうか。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集

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