古典和歌stream
表題
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古今和歌集
秋萩の古枝に咲ける花見れば
もとの心は忘れざりけり
歌の意味
萩の古い枝に咲いた花を見ると、昔の心は忘れないものだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上
昔、お互いを知る仲であった人と秋の野原でたまたま出会い、話をしたついでに詠んだ歌。
おそらくは昔の恋人との予期せぬ出会いに、古い萩の枝に花が咲くように作者の恋人だった人に対する気持ちも思い出されたのだろう。
作者
凡河内みつね
出典
古今和歌集
その他の歌
秋萩をしがらみふせて鳴く鹿の目には見えずて音のさやけさ
秋萩の花咲にけり高砂のをのへの鹿は今は鳴くらむ
秋萩の下葉色づく今よりやひとりある人のいねがてにする
なき渡る雁の涙や落ちつらむ物思ふ宿の萩の上の露