古典和歌stream
表題
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古今和歌集
なき渡る雁の涙や落ちつらむ
物思ふ宿の萩の上の露
歌の意味
空を鳴いて渡ってゆく雁の涙が落ちたのだろうか。物思いにふける人の庭の萩の上に置く露は
鑑賞
巻第四 秋歌上
作者が悲しみにぽろぽろと涙を流すことから、家の庭にある萩についた露を雁が流した涙が落ちてきたのだろうかと例えて詠んでいる。
「宿」は自分の家の意味。昔は旅宿や家も区別せず宿と言った。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
秋萩の古枝に咲ける花見ればもとの心は忘れざりけり
秋萩の下葉色づく今よりやひとりある人のいねがてにする
萩の露玉に抜かむと取ればけぬよし見む人は枝ながら見よ
折りて見ば落ちぞしぬべき秋萩の枝もたわわにおける白露