古典和歌stream
表題
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古今和歌集
折りて見ば落ちぞしぬべき秋萩の
枝もたわわにおける白露
歌の意味
折り取って見るならば落ちてしまうに違いない。秋萩の枝もたわむほどに付いた白露は
鑑賞
巻第四 秋歌上
前歌の「萩の露玉に抜かむと取ればけぬよし見む人は枝ながら見よ」と同様に萩に付いた露を詠んだ歌である。歌にもある通り萩の枝は細くよくしなるので、枝葉に露がついても風が吹くとすぐ落ちてしまう。なので枝葉に残っている露は儚く美しいものとして歌に詠まれる。
「たわわ」は枝もたわむほどの意味。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
なき渡る雁の涙や落ちつらむ物思ふ宿の萩の上の露
萩の露玉に抜かむと取ればけぬよし見む人は枝ながら見よ
萩が花散るらむ小野の露霜に濡れてをゆかむさ夜はふくとも
秋の野におく白露は玉なれやつらぬきかくるくもの糸すぢ