古典和歌stream
表題
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古今和歌集
みどりなる一つ草とぞ春は見し
秋はいろいろの花にぞありける
歌の意味
春は緑一色の草と見ていたが、秋になると色とりどりの花であることだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上
春に訪れた野原が緑一色で生えている草の区別も付かない風景が、秋に訪れると様々な花が色とりどりに咲いていることを感心したような歌だろう。
春と秋、草と花、単色と複数の色と対比の使い方が印象的である。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
秋の野の草のたもとか花すすき穂にいでてまねく袖と見ゆらむ
我のみやあはれと思はむきりぎりす鳴く夕かげのやまとなでしこ
ももくさの花のひもとく秋の野に思ひたはれむ人なとがめそ
月草に衣はすらむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも