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吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風をあらしといふらむ

歌の意味
吹くとすぐに草木が萎れるものだから、なるほど山から吹く風を嵐というのだろう。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 是貞親王家の歌合せに番われた歌。

 山から吹き下ろす風が草木を枯れ萎えさせる冷たく激しい風が吹く秋の終わりを情景が詠を感じさせる。
 風が吹き荒れる嵐に草木を萎れさせる荒らしの意味を掛け、山と風を組み合せて「嵐」の文字にする遊びが盛り込まれている。漢字の部品を離したり、合わせたりする遊び歌を離合詩という。(「木」と「毎」で「梅」など)
 
 『百人一首』にも収録されている歌で作者は文屋康秀(朝康の父)となっている。
作者
文屋あさやす
出典
古今和歌集

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