古典和歌stream
表題
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古今和歌集
秋の菊にほふかぎりはかざしてむ
花よりさきと知らぬ我が身を
歌の意味
秋の菊が美しく咲いている間は頭に飾ってみよう。花より先に死ぬかもしれない我が身であるから。
鑑賞
巻第五 秋歌下
この世の無常を感じていたときに、菊の花を見て詠んだ歌。
菊の花についた露から不老長寿を得る言い伝えから頭に花を飾るのは長寿を願ってのことだが、死を身近に感じるようになった作者は菊を頭に飾ることに空しさを感じたのだろう。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
花見つつ人まつ時は白妙の袖かとのみぞあやまたれける
ひともとと思ひし菊を大沢の池の底にもだれか植ゑけむ
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
色かはる秋の菊をばひととせにふたたび匂ふ花とこそ見れ