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心あてに折らばや折らむ初霜の
置きまどはせる白菊の花

歌の意味
折り取るならば当てずっぽうに折り取るとしよう。初霜が降りてどれが白菊の花か分からなくなってしまっている。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 白菊の花を詠んだ歌。

 初霜が降りて辺りが白くなったせいで、同じ白色の白菊の花がどれか分からなくなってしまったと詠まれている。実際は霜が降りた程度が菊の花が見分けられなくなることはないから、大げさな描写に感じられる。初霜が降りた景色の美しさを強調してるのだろうか。

 この歌は『百人一首』にも収録されている。

 「心あて」はあて推量で、当てずっぽうでの意味。
 「まどはせる」は紛らわしくするの意味。
作者
凡河内みつね
出典
古今和歌集

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