古典和歌stream
表題
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古今和歌集
色かはる秋の菊をばひととせに
ふたたび匂ふ花とこそ見れ
歌の意味
寒くなるにつれて色が変わる秋の菊を、一年のうちに二度咲き匂う花であると思う。
鑑賞
巻第五 秋歌下
是貞親王家の歌合せに番われた歌。
菊の花は咲いたころは黄色だが、花が霜に触れると紫色に変色する。花が全く別の色に変わる様子は移菊(うつろいぎく)と言い、美しいものとして愛でられた。この歌でも色が変わる様子を一年の内に二度も花が咲くと例えて詠まれている。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
秋の菊にほふかぎりはかざしてむ花よりさきと知らぬ我が身を
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
秋をおきて時こそ有りけれ菊の花うつろふからに色のまされば
咲きそめし宿しかはれば菊の花色さへにこそ移ろひにけれ