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秋をおきて時こそ有りけれ菊の花
うつろふからに色のまされば

歌の意味
秋とは別の時にも盛りがあるのが菊の花です。色が変わるとともに増していきますから。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 仁和寺にいらせられた宇田法皇が菊の花をお召しになった時に、「和歌を添えて奉れ」とおっしゃったので詠んで献上した歌。

 秋が盛りが菊の花だが秋が過ぎても花の色が変わり盛りの時とは別の美しさがある。その様を天皇が退位後に出家しても、いよいよ栄えてめでたいと祝賀の意味で詠まれている。

 仁和寺は宇田天皇が現在の京都市右京区に創建した。天皇は譲位後に御室を建て住んだ。
作者
平貞文
出典
古今和歌集

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