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霜のたて露のぬきこそ弱からし
山の錦のおればかつ散る

歌の意味
霜の縦糸、露の横糸が弱いようだ。山の錦を織れたと思えば、すぐに散ってゆく。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 山の錦とは紅葉のことで、当時は霜や露が紅葉を赤や黄色に色づけると考えられていた。なので霜と露が山の錦を織りあげるが、すぐに散ってしまうので糸である霜と露が弱いのだろうと、この歌で詠んでいる。
 霜や露のような儚くすぐ消えてしまうように、すぐに散ってしまう美しい紅葉を惜しんでいる。

 「たて」は縦糸で、「ぬき」は横糸の意味。
作者
藤原関雄
出典
古今和歌集

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