- 歌の意味
- 海岸近くに降ってくる雪は、白波が末の松山を越えるのではないかと見える。
- 鑑賞
- 巻第六 冬歌
寛平の御時の后宮の歌合に番われた歌。
有り得ないことの例えとして用いられる「末の松山を浪が越す」という表現も、海岸に積もった雪が白波のように見えたことを表したのだろう。
「末の松山」は現在の宮城県多賀城市八幡にある景勝地である。
東歌(陸奥歌)に収録されている「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ」と変わらぬ愛情を誓った歌があるが、それを茶化しているようにも捉えることができる。
- 作者
- 藤原おきかぜ
- 出典
- 古今和歌集