古典和歌stream
表題
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古今和歌集
みよしのの山の白雪つもるらし
ふるさと寒くなりまさりけり
歌の意味
吉野の山では雪がつもっているのだろう。古い奈良の都でも寒さがましている。
鑑賞
巻第六 冬歌
奈良の都に行ったときに泊まっていた場所で詠んだ歌。
奈良の都でさえこれだけ寒いのだから、山では雪が降っているのだろうと推測している。単純で意味も明快な歌で、詞書の通りで作者の実感が素直に詠まれている。
「ふるさと」はこの歌では、古都・奈良の都を指している。
作者
坂上是則
出典
古今和歌集
その他の歌
雪ふれば冬ごもりせる草も気も春に知られぬ花ぞ咲きける
白雪のところも分かず降りしけばいはほにも咲く花とこそ見れ
浦ちかく降りくる雪は白浪の末の松山こすかとぞ見る
みよしのの山の白雪踏み分けて入りにし人のおとづれもせぬ