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君がため春ののにいでてわかなつむ
わが衣手に雪はふりつつ

歌の意味
あなにさしあげようと思って、春の野原に出て若菜を摘むとき、私の袖には雪が降りかかていた。
鑑賞
巻第一 春歌上

光孝天皇がまだ親王でいらっしゃったときに、ある人に若菜を贈られた時に添えられた歌。

若菜は邪気を払うものとして古くから春の野に出て摘んだ。
若菜を摘むときに袖に雪が降りかかるという繊細で優美な情景は平安時代の貴族の情趣生活であった。

この時代、人に物を贈る場合は努力して得たことや、良いと思っていることを伝えて、今日のように謙遜の辞は述べなかった。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集

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