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表題
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伊勢物語
天雲のよそにも人のなりゆくか
さすがに目には見ゆるものから
歌の意味
空の雲のように、あの人は遠く無関係になってゆくのか。無縁とは言っても私の目には姿が見えるのに。
鑑賞
十九 あまぐもの
男が出仕していた女のところで、女房として仕えていた人と知り合って情を交わしたが、間もなく別れた。
男は完全に女への関心を失っていたが、女にはまだ未練が残っていた。
歌は女が男に向けて詠んだ。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
紅ににほふはいづら白雪の枝もとををに降るかとも見ゆ
紅ににほふがうへの白菊は折りける人の袖かとも見ゆ
天雲のよそにのみしてふることはわがゐる山の風はやみなり
君がため手折れる枝は春ながらかくこそ秋のもみぢしにけれ