- 歌の意味
- 私の袖は木を組み草を葺いてこしらえた小屋ではなけれど、日が暮れると露の宿になってしまう。
- 鑑賞
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五十六 わが袖は
ある男が寝ようとしては横になっては思いを巡らせ、起きても思いを巡らせ、いつも思い続け思案にあまって詠んだ歌。
「草の庵」、「露の宿り」は草と露の縁語で露は草に宿るという慣例的な表現がある。
この歌では露も庵に宿ると擬人的な表現で使われている。
おそらくは男が恋しく思う人のことを考えて、庵に宿る露のように袖を涙でぬらしてしまうという意味だろう。
- 出典
- 伊勢物語
- その他の歌