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恋ひわびぬ海人の刈る藻にやどるてふ
我から身をもくだきつるかな

歌の意味
恋い悩み、漁師が刈り取る海藻にすみついている「われから」という虫のように自分自身のどうにもならない気持ちのために身を砕いて苦しんだ。
鑑賞
五十七 恋ひわびぬ ある男が、心に秘めた恋に悩んでいた。冷淡でまったく取り合ってくれない相手のところに詠んで送った歌。 切ない片思いをどうにもならない自分自身の気持ちのせいだと言いながら、相手に分かってもらいたいと思わずにはいられない。そういった気持ちを詠んでいる。 抑えきれず歌を送ったのは、相手にふり向いて欲しいと言う諦めきれない男心か。 「我から」は割殻虫(われからむし)という体長四センチメートル甲殻類の海藻に住む虫で、乾くにつれて体の殻が割れるのでこの名で呼ばれる。「我から」、自分からもとめてとういう意味の掛詞である。
出典
伊勢物語
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