- 歌の意味
- たいていの場合は美しい月を賞美することはない。この月こそが夜ごとにつもり重なれば年となって、積もりつもって人の老いになるのだから。
- 鑑賞
- 八十八 月をもめでじ
若すぎるということはない友人たちが集まった。
歌はその中の一人が月を見て詠んだ。
夜空に輝く美しい月を年月の月に転換して詠んでいる。昔は「月を見る事は忌むこと」という俗信があったのは『竹取物語』や『紫式部日記』などに記されている。警句のように捉えることもできるが、若い人特有の斜に構えた考え方だろうか。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語