- 歌の意味
- 桜の花が今日はこんなにも美しく咲いても、明日の夜もきれい咲いているか頼りにすることができない
- 鑑賞
- 九十 桜花
ある男がすこしも相手にされない女に、どうにか自分の方をふり向かせたいと思いつづけた。女は男の気持ちに心を打たれたのか「では明日、簾(すだれ)か何かを仕切りをはさんでお逢いしましょう」と言った。
歌は女を申し出を聞いた男が嬉しがりながら、女の本心かどうか不安になって詠んだ。
女の気持ちをすぐに散ってしまう桜の花に見立てて詠んでいる。長い間、つれなくされた後だけに信じきれない不安な気持ちになるのも当然だろう。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語