古典和歌stream
表題
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古今和歌集
あづさゆみ春たちしより年月の
いるがごとくもおもほゆるかな
歌の意味
春になってからは、年月が矢を射るように早く過ぎてゆくと思われることだ。
鑑賞
巻第二 春歌下
春が早くすぎるのを詠んだ歌。
春になってからとあるので晩春の歌であるが、早く過ぎ去って行くのが年月なので年末のことを詠んだという解釈が正しいのだろう。
あづさゆみは、「春」にかかる枕詞で、「春」と弓の弦を「張る」をかけている。
作者
凡河内みつね
出典
古今和歌集
その他の歌
かはづなくゐでの山吹ちりにけり花の盛りにあはまし物を
おもふどち春の山辺にうちむれてそこともいはぬたびねしてしが
なきとむる花しなければうぐひすもはては物うくなりぬべらなり
花ちれる水のまにまにとめくれば山には春もなくなりにけり