古典和歌stream
表題
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古今和歌集
ちりをだにすゑじとぞ思うさきしより
いもとわがぬるとこ夏のはな
歌の意味
咲いてからずっと、塵さえも置くまいと思っている。愛しい人と供に寝るように大切にしてきた花だ。
鑑賞
巻第三 夏歌
隣家からとこなつの花をもらいたいと使いをよこしたので、惜しんでこの歌を詠んで与えた歌。
隣の家の人から花を欲しいと申し出られて、断るために詠まれた。歌からもよほど大切に育てた花であることがわかる。人に欲しがられるのであるから美しく咲いたのだろう。
「とこ夏のはな」は、なでしこの事。
作者
凡河内みつね
出典
古今和歌集
その他の歌
はちすはのにごりにしまぬ心もてなにかはつゆを玉とあざむく
夏の夜はまだよひながらあけぬるを雲のいづこに月はやどらむ
夏と秋と行きかふそらのかよひぢはかたへはすずしき風やふくらむ
あききぬとめにはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる