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うき事を思ひつらねて雁が音の
鳴きこそ渡れ秋の夜な夜な

歌の意味
辛いことをひとつひとつ思い連ねるように雁が列なって毎夜毎夜、雁が鳴きながら飛び渡って行く
鑑賞
巻第四 秋歌上

 「つらねて」は思いを重ねる「連ねて」と雁が列をなして飛ぶ「列ねて」の意味で「夜な夜な」と憂きことが連続することが強調されている。
 つらい事を思い連ねているのは雁ではなく作者で毎夜、鳴きながら飛んでいく雁に自分を映して詠んだのだろうか。
作者
凡河内みつね
出典
古今和歌集

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