古典和歌stream
表題
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古今和歌集
名にめでて折れる許りぞ女郎花
我おちにきと人にかたるな
歌の意味
名前が気に入って折ったまでのことだ。オミナエシよ、私が堕落してしまったなどと他の人に語ってくれるな。
鑑賞
巻第四 秋歌上
オミナエシは女性に例えらる花で作者である遍照は僧侶であるから「女」に心を動かして花を手折ったと吹聴するなよとオミナエシに口止めしている。
仮名序の古注には「嵯峨野にて馬より落ちてよめる」とあり、馬に乗りながら花を取ろうとして落馬してしまったことを口止めしている歌かもしれない。作者が照れ隠しのために詠んだ歌のだろう。
作者
僧正遍昭
出典
古今和歌集
その他の歌
萩が花散るらむ小野の露霜に濡れてをゆかむさ夜はふくとも
秋の野におく白露は玉なれやつらぬきかくるくもの糸すぢ
女郎花うしと見つつぞ行きすぐるをとこ山にし立てりと思へば
秋の野に宿りはすべし女郎花名をむつまじみ旅ならくに