古典和歌stream
表題
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古今和歌集
ひとりのみながむるよりは女郎花
わが住むやどにうゑて見ましを
歌の意味
ただ一人で物思いにふけりながら眺めているよりも、オミナエシを私の家に移し植えてみたいものだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上
朱雀院の女郎花合わせに詠んで奉った歌。
オミナエシを自分の家に他から移し植えたいと願望を詠んでいるが、ある女性のことで一人で思い悩んで眺めているよりは自分の家に迎え入れたいという意味だろう。「見ましを」の「まし」は仮設推定の助動詞で実現することはない、またはできない願望であることが分かる。
作者
みぶのただみね
出典
古今和歌集
その他の歌
女郎花吹きすぎてくる秋風は目には見えねど香こそしるけれ
人の見る事やくるしき女郎花秋霧にのみ立ちかくるらむ
女郎花うしろめたくも見ゆる哉荒れたる宿にひとりたてれば
花にあかで何かへるらむ女郎花おほかる野辺に寝なましものを