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花にあかで何かへるらむ女郎花
おほかる野辺に寝なましものを

歌の意味
花に満足していないのに、どうして帰ろうと言うのか。オミナエシの多いこの野辺に泊まっていきたい気分なのに。
鑑賞
巻第四 秋歌上

 宇多天皇の御代に蔵人所の男たちが嵯峨野に花見に出かけた時に、もう帰ろうと皆が歌を詠むついでに詠んだ歌。

 オミナエシを女性に見立てた歌で、奥ゆかしさ品などは無縁の男の正直な気持ちが詠まれている。

 蔵人所は天皇に仕え事務などの秘書的な仕事を行う機関。
 嵯峨野は現在の京都市の北方を指す。

 作者は平貞文(たいらさだふむ)で『平中物語』の主人公でもある。
作者
平貞文
出典
古今和歌集

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