古典和歌stream
表題
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古今和歌集
冬ごもり思ひかけぬをこのまより
花と見るまで雪ぞ降りける
歌の意味
冬ごもりの時期に思いもかけなかったのに、木の間から花と見えるばかりに雪が降っていることだ。
鑑賞
巻第六 冬歌 雪が木に積もっていたのを詠んだ歌。 冬ごもりは草木の成長が止まっているように見える期間で、そんな時にあるはずもない花が散っているように見えたと思ったら雪であったと詠んでいる。雪を花に見立てた歌で、冬の暗い背景に白い雪が降るという情景の美しさを感じる。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
雪ふりて人もかよはぬ道なれや あとはかもなく思ひ消ゆらむ
冬ながら空より花の散りくるは 雲のあなたは春にやあるらむ
朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野のさとに降れる白雪
消ぬがうへに又も降りしけ春霞 立ちなばみ雪まれにこそ見め