古典和歌stream
表題
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古今和歌集
梅の香の降りおける雪にまがひせば
誰かことごとわきて折らまし
歌の意味
梅の香りが降り積もっている雪に混じってしまったなら、誰が雪と梅とを区別して枝を折ることができるだろうか。
鑑賞
巻第六 冬歌
雪の中の梅の花を詠んだ歌。
白い梅の花と白雪を区別することができるのは香りがあるかであるが、雪にもうつってしまったら花か雪か分からなくなってしまうと詠んでいる。実際に雪に香りがうつることなどないが梅の香りが強ければ雪も花も見分けがつかず大量の梅の花として楽しむことができるのだろう。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
梅の花それとも見えず久方のあまぎる雪のなべて降れれば
花の色は雪にまじりて見えずとも香をだににほえ人のしるべく
雪降れば木ごとに花ぞ咲にけるいずれを梅とわきて折らまし
わが待たぬ年はきぬれど冬草のかれにし人はおとづれもせず