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初草のなどめづらしき言の葉ぞ
うらなく物を思ひけるかな

歌の意味
早春に思いがけず見つけた若草とでも言うように、めずらしく思いがけない言葉です。今までは何も気にせず兄弟だと思っていたのに。
鑑賞
四十九 うら若み

ある男が妹のかわいらしい様子を見て詠んだ歌「うら若みねよげに見ゆる若草をひとの結ばむことをしぞ思ふ」に対する妹の返歌。

兄から恋情を込めた歌を贈られた妹の驚きか戸惑いの心境の歌。
兄が初々しく美しい妹に惹かれる話は源氏物語や塗籠本(ぬりごめほん)でも描かれ、いずれも妹が琴をひく姿を見てといった場面である。
作者
出典
伊勢物語

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