- 表題
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- 古今和歌集
古今和歌集 - よみ人しらず
のこりなくちるぞめでたき桜花
ありて世の中はてのうければ
桜の花はきれいさっぱりと散るのが見事なのだ。世の中はいつまでもあると、その果てはいやなものになってしまうのだから。
ひとめ見し君もやくると桜花
けふはまち見てちらばちらなむ
桜の花を一目見て帰ったあなたが戻ってくるかもしれないと、一日だけ待ってみて、それで来ないなら、そのあとは散るならば散ってしまってくれよ。